山の上の方に来ると雪渓が残っておりここを登っていきます。少し硬めの雪ですがアイゼンなしでも登れます。
雪渓を登り切ったところはお花がいっぱいです。でも、風が強くなってきました。雨衣を着ましたがかなり寒い。
羅臼平にようやく着きました。ここも雲の中で視界が悪い。風も弱まる気配がありません。下の写真はテント泊する人のためのフードロッカーです。テントに食物を置いておくとクマに襲われるので食べ物をすべてこの中に保管します。人間なら誰でも直ぐに開けられるのですが熊にはできないようです。自分はクマレベルの知能かどうか心配だったのでためしに開けてみました。幸いロックは簡単に外せました。
羅臼平から山頂に向かって登ります。途中から岩場となり疲れてきますが岩場は楽しいので疲労感はさほどではありません。
山頂です。登りに4時間15分かかりました。めちゃくちゃ風が強くて、しかも山頂は狭いので立つのが怖い。周りは真っ白ですが、風でよろめいたら崖の下に転落です。まず助かりそうにありません。寒さに耐えながら岩陰に隠れてコンビニで買ったお稲荷を3つ食べました。もっと食料を持って行っていましたが、あまりに風が強くて危険なので20分くらいで降りました。
羅臼岳は岩場を除くと登山道は歩きやすく下りも膝の負担はあまりありません。順調に下って「クマ出没多発区間」では鈴を直接手で振って大きな音を立てながら下りました。この区間の下の方まで来たとき、突然、熊と出会ってしまいました。15メートルくらい先の登山道にいて目と目が合ってしまいました。あわててクマスプレーを取り出しながら、ゆっくり後ろへ下がります。するとクマはこちらに寄ってくるではありませんか!クマスプレーのロックを外してじっとしていたら、クマは登山道から下の斜面に10メートルくらい下り、こちらを見ながら私の真下まできました。引き返すべきか先に進むべきか迷っていたら、クマは私が攻撃してこないと思ったのかそのまま過ぎていきました。ほっとしてあわててカメラを取り出してとったのが下の写真です。真ん中の少し左上に黒く見えるのがクマの後ろ姿でした。子供でしょうか、それでも100kg以上はあったと思います。
一安心したと思ったら、さっきクマがいたところの上の方から小石がゴロゴロと落ちる音がします。そっと木の陰から見上げたら200kg以上はある大きな親熊が15メートルくらい上の岩の上で何かを食べていました。鈴を大きく鳴らしても全く気にせず向こうを向いて食べ続けています。15メートルもの岩から降りるのはクマでも難しいだろうと思いながら、進むべきかどうか迷っていたら、むくっと体を起こして向こう側に消えていきました。幸い、何事もなくその場を通過できました。
無事、下山できたので。感謝の気持ちを含めて登山口にある祭壇にお賽銭を入れておきました。
下山後、ホテル地の涯の無料の露天風呂「三段の湯」へ入りました。更衣室はありませんが、男なので気にせず裸になって入ります。とっても気持ち良かったですよ。
入浴後、妻が迎えに来るのを待っていると、バイクツーリングでやってきた人が声をかけてきました。その人の話では、ここへ来る少し手前で人だかりができていたのでなんだろうと思いながらバイクで横を通り過ぎたら、突然、熊に出会い、足蹴りされそうになったとのことでした。一匹のクマのテリトリーはかなり広いようなので私と遭遇したクマが山を降りてきてバイクの人とぶつかりそうになったのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿