先日、You tubeを見ていたら、何故か映画『ハナミズキ』の動画がリストに出てきました。私が北海道へ来た当時に上映された映画で、私もその頃、映画館で観た覚えがあります。北海道の綺麗な自然の景色にあふれた映画でした。今回、再びYou tubeでこの映画を見ていたら、海岸近くの広大な平原を列車が走るシーンがありました。昔、映画を見た時もこのシーンの美しさに魅了されたのを覚えています。当時、これは白糠町あたりかなと思いましたが、詳しくは調べていませんでした。今回、気になったのでネットで確認したところ、白糠町のちょっと西にある「尺別」という所だと分かりました。尺別には『尺別の丘』という「撮り鉄」には有名なスポットがあり、そこから撮影したのが映画のこのシーンでした。
そこで、この連休に釧路へ秋刀魚を食べに行ったので、『尺別の丘』にも行ってみることにしました。白糠町から海沿いに国道を西に走っているとこんもりした丘に車一台がどうにか通れる未舗装の道が斜め左に分かれています。その道へハンドルを切ると200mほどで小さな葬祭場がありました。葬祭場は閉まっていましたが、建物の前には2台の車が停まっていて、撮り鉄の人たちが来ていました。札幌ナンバーのレンタカーでしたから本州から千歳空港経由で来たのでしょう。そこから踏み跡の残っている小路を登っていくと約10分で丘の上に出ます。しかし、途中、路は複数に分かれており初めてだと迷いそうです。幸い、上から降りて来た人が道順を教えてくれました。クマが出ないかとちょっと心配なので声を出しながら登ります。
下が『尺別の丘』の上から撮った写真です。真ん中にはちょうど2両編成の列車が写っています。果てしない太平洋と広大な北海道の大地。期待を裏切らない美しい景色でした。ここは全く観光案内がないため分かりずらい場所ですが、北海道の人で釧路へ行くことがあればちょっと寄ってみるとよいでしょう。グーグルマップで案内してもらえば大丈夫です。
尺別には2019年3月に廃止された「尺別駅」があり周囲には家が数軒しかありません。かなりの高齢のお婆さんが一人ビニールハウスの手入れをしているのを見かけましたが、ほとんどの家は住んでいる人が居ない廃屋のようでした。一番奥には映画『ハナミズキ』で使用された「紗枝の家」が今でも残っていました。さすがに庭の草は伸びて荒れ放題になっていました。
尺別から白糠に向かうと途中に無人駅の西庶路駅がありました。映画では「丹別駅」の名前で撮影が行われています。
釧路辺りは北海道東部の巨大地震と津波の心配もあり、ほとんど観光には訪れていませんでした。でも、オホーツク海と異なり、太陽が南にあるおかげで太平洋の海は輝いて見え明るいイメージでした。津波対策さえ備えておれば白糠町あたりも住み心地が良さそうですね。